SENIOR PET NUTRITION GUIDE
年齢を重ねた愛犬・愛猫に、
いつまでも健やかでいてもらうために。
食事・栄養・水分管理のすべてがわかる一冊。
シニア期の栄養管理は、
愛犬・愛猫の健康寿命を左右する
大切なテーマです。
犬や猫も人間と同じように、年齢を重ねるにつれて体の機能が変化します。消化吸収能力の低下、代謝の変化、免疫機能の衰え——こうした変化に合わせて食事の内容や量を見直すことは、シニア期のQOL(生活の質)を大きく左右します。
適切な栄養管理を行うことで、慢性疾患の予防・進行の遅延、体重管理、被毛や皮膚の健康維持、認知機能のサポートなど、多くのメリットが期待できます。
本ガイドは一般的な情報提供を目的としています。個々のペットの健康状態に応じた食事管理については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
犬と猫では「シニア」と呼ばれる時期が異なります。体のサイズや種類によっても差がありますので、まず愛犬・愛猫の年齢ステージを正しく把握しましょう。
| サイズ | シニア期開始 | ハイシニア期 | 代表犬種 |
|---|---|---|---|
| 小型犬(〜10kg) | 10歳〜 | 13歳〜 | チワワ、トイプードル、ダックス |
| 中型犬(10〜25kg) | 8歳〜 | 11歳〜 | 柴犬、コーギー、ビーグル |
| 大型犬(25kg〜) | 6歳〜 | 9歳〜 | ラブラドール、ゴールデン |
| ステージ | 年齢 | 人間の年齢換算 |
|---|---|---|
| シニア期 | 8〜11歳 | 約48〜60歳 |
| ハイシニア期 | 12歳〜 | 約64歳〜 |
犬
猫
シニア犬は活動量と基礎代謝が低下するため、成犬期に比べてカロリーを20〜30%程度減らすのが一般的です。ただし、痩せすぎの子は逆にカロリーアップが必要な場合もあります。
| 体重 | 成犬期の目安 | シニア期の目安 | 削減率 |
|---|---|---|---|
| 5kg | 約370kcal/日 | 約280kcal/日 | 約25%減 |
| 10kg | 約620kcal/日 | 約470kcal/日 | 約25%減 |
| 20kg | 約1040kcal/日 | 約780kcal/日 | 約25%減 |
筋肉量維持のため良質なタンパク質を十分に。脂肪は控えめに消化の良いものを選びましょう。
グルコサミン・コンドロイチン・オメガ3脂肪酸を含むフードやサプリで関節をケア。
リンやナトリウムの過剰摂取を避け、定期的な血液検査で腎機能をモニタリング。
歯周病がある場合はフードをふやかしたり、ウェットフードに切り替えて食べやすくしましょう。
1日の食事を2〜3回に分け、消化の良い食材を選ぶことで胃腸への負担を軽減します。
| カテゴリ | 食材 | 主な栄養素・効果 |
|---|---|---|
| 🍗 タンパク質 | 鶏むね肉、ささみ、白身魚、鹿肉 | 低脂肪・高タンパク、消化が良い |
| 🥕 野菜 | かぼちゃ、にんじん、ブロッコリー、さつまいも | ビタミン・食物繊維、抗酸化作用 |
| 🍚 穀物 | 白米、オートミール | 消化しやすいエネルギー源 |
| 🫒 油脂 | 亜麻仁油、フィッシュオイル | オメガ3脂肪酸、皮膚・被毛ケア |
| 🦴 関節ケア | 鶏軟骨スープ、煮干し | グルコサミン・コラーゲン |
シニア犬の肥満は関節疾患・心臓病・糖尿病のリスクを高めます。定期的な体重測定とBCS(ボディコンディションスコア)のチェックを習慣にしましょう。
猫はもともと腎臓病にかかりやすい動物です。シニア期に入ったら、特に腎臓への配慮と水分摂取が重要になります。
15歳以上の猫の約30%が慢性腎臓病(CKD)を発症するとされています。リンやナトリウムの含有量が低いフードを選び、定期的な尿検査・血液検査で早期発見を心がけましょう。
体重1kgあたり約50ml(体重4kgの猫なら約200ml/日)
水分補給と嗜好性の向上を両立。腎臓ケアにも効果的です。
猫はタウリンを体内で合成できないため、フードから十分に摂取する必要があります。心臓・目の健康に不可欠。
アラキドン酸やDHA/EPAなどの脂肪酸は猫に必須。皮膚・被毛の健康維持に重要です。
加齢で腸の動きが低下します。適度な食物繊維(かぼちゃ、サイリウムなど)で便通をサポート。
1日3〜4回に分けて与えることで消化器への負担を減らし、食欲が落ちている猫でも食べやすくなります。
| カテゴリ | 食材 | 主な栄養素・効果 |
|---|---|---|
| 🍗 タンパク質 | 鶏むね肉、白身魚(タラ・タイ)、鹿肉 | 高タンパク・低リン、消化良好 |
| 🐟 魚類 | サーモン、マグロ(少量) | タウリン・DHA/EPA豊富 |
| 🥕 野菜 | かぼちゃ、にんじん(加熱) | 食物繊維・ビタミンA |
| 🫒 油脂 | フィッシュオイル、亜麻仁油 | オメガ3脂肪酸、抗炎症 |
| 💧 水分補給 | 鶏スープ、魚の煮汁 | 嗜好性向上・水分摂取 |
猫は犬と異なり「完全肉食動物」です。穀物や野菜だけの食事は栄養不足を招きます。必ず動物性タンパク質を主体とした食事を心がけましょう。
療法食とは、特定の疾患の治療や管理を目的として栄養成分が調整された特別なフードです。一般のフードとは異なり、獣医師の指示のもとで使用します。自己判断での使用は栄養バランスを崩す恐れがありますのでご注意ください。
| 対象疾患 | 栄養の特徴 | 対象 | 主な製品例 |
|---|---|---|---|
| 🫘 腎臓ケア | 低リン・低ナトリウム・適度なタンパク質制限 | 犬猫 | k/d、腎臓サポート |
| 🫁 肝臓ケア | 低銅・適正タンパク・高消化性 | 犬猫 | l/d、肝臓サポート |
| 🦠 消化器ケア | 高消化性タンパク・低脂肪・プレバイオティクス | 犬猫 | i/d、消化器サポート |
| ⚖️ 体重管理 | 低カロリー・高食物繊維・満腹感サポート | 犬猫 | r/d、満腹感サポート |
| 🌾 アレルギー対応 | 加水分解タンパク・新奇タンパク | 犬猫 | z/d、アミノペプチド |
療法食は「薬」と同じように扱うフードです。健康な子に与えると逆に栄養バランスが崩れることがあります。必ず獣医師の管理のもとでお使いください。また、開封後の保存方法にも注意し、鮮度を保ちましょう。
| 日数 | 現在のフード | 療法食 |
|---|---|---|
| 1〜3日目 | 75% | 25% |
| 4〜7日目 | 50% | 50% |
| 8〜10日目 | 25% | 75% |
| 11日目〜 | 0% | 100% |
食事だけでは補いきれない栄養素をサポートするために、サプリメントの活用が有効です。ただし、使用する際は必ず獣医師に相談しましょう。
| 目的 | 主な成分 | 期待される効果 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 🦴 関節サポート | グルコサミン、コンドロイチン、MSM、緑イ貝 | 関節軟骨の保護、炎症軽減 | 犬猫 |
| 🛡️ 免疫力向上 | βグルカン、プロポリス、アガリクス | 免疫細胞の活性化、抗酸化 | 犬猫 |
| 🦠 腸内環境 | 乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖 | 腸内フローラ改善、消化サポート | 犬猫 |
| ✨ 皮膚・被毛 | オメガ3/6脂肪酸、ビオチン、亜鉛 | 被毛のツヤ、皮膚の健康維持 | 犬猫 |
| 🧠 認知機能 | DHA/EPA、抗酸化ビタミン(E・C)、SAMe | 脳機能保護、認知症の進行遅延 | 犬猫 |
シニア期に入ると、嗅覚や味覚の低下、歯の問題、消化器の不調などにより食欲が落ちることがあります。以下の工夫を試してみましょう。
フードを人肌程度(38〜40℃)に温めると、香りが立ち食欲を刺激します。電子レンジで10〜15秒ほど加熱するか、ぬるま湯を少量加えましょう。加熱しすぎると栄養素が壊れるので注意。
市販フードを食べない場合、手作り食に切り替えることで食欲が戻ることがあります。まずはトッピングから始め、徐々に手作り食の割合を増やしていきましょう。(詳細はChapter 8を参照)
自力で食べられない場合、獣医師の指導のもとシリンジ(注射器型の容器)を使って流動食を与えることがあります。誤嚥を防ぐため、口の横から少量ずつゆっくり入れましょう。必ず獣医師に正しい方法を教わってから行ってください。
食器を台に載せて、首を下げなくても食べられる高さに調整します。関節や首に負担がかからないことで、食事のストレスが軽減され、食欲が改善することがあります。
| 体のサイズ | 食器の高さ |
|---|---|
| 小型犬・猫 | 5〜10cm |
| 中型犬 | 10〜20cm |
| 大型犬 | 20〜30cm |
1日2回の食事を3〜5回に分けて少量ずつ与えましょう。一度に多く食べられなくても、回数を増やすことで1日のトータル摂取量を確保できます。
シニア期のペットは脱水を起こしやすく、腎臓病や泌尿器疾患のリスクも高まります。日々の水分管理はとても大切です。
上記の症状が見られたら、すぐに獣医師に相談してください。
| 体重 | 犬の目安 | 猫の目安 |
|---|---|---|
| 3kg | 約150〜200ml/日 | 約150ml/日 |
| 5kg | 約250〜350ml/日 | 約250ml/日 |
| 10kg | 約500〜700ml/日 | — |
| 20kg | 約1000〜1400ml/日 | — |
水分含有量70〜80%のウェットフードは、食事と同時に水分を摂れる優れた方法です。ドライフードとの併用も効果的。
脱水が改善しない場合、獣医師の指示のもと自宅で皮下補液を行うことがあります。手技は必ず獣医師から指導を受けてから行ってください。
1食分 / 約5kgの犬
1食分 / 約5kgの犬
1食分 / 約4kgの猫
1食分 / 約4kgの猫
日々の食事内容や体調の変化を記録することで、健康管理の精度が格段に向上します。MIMITOTEのLIFE NOTEを活用して、愛犬・愛猫の食事の記録を始めましょう。
MIMITOTEが提供する「WAN LIFE NOTE」「NYAN LIFE NOTE」は、愛犬・愛猫の一生の記録をまとめるノートです。Ch.6ではフード・食事に関する記録ページが用意されています。
| 項目 | 記録内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| 📅 日時 | 食事を与えた日付と時間 | 毎食 |
| 🥫 フードの種類 | メーカー名・商品名・ドライ/ウェット | 変更時 |
| ⚖️ 量 | グラム数またはカップ数 | 毎食 |
| 😋 食べ具合 | 完食/残し/食べムラ/全く食べず | 毎食 |
| 🏋️ 体重 | 体重の変化 | 週1回以上 |
| 💊 サプリ・薬 | サプリメントや投薬の記録 | 毎日 |
| 💩 排泄状態 | 回数・硬さ・色・異常の有無 | 毎日 |
| 📝 メモ | 気になったこと、体調の変化 | 随時 |
| 評価 | 記号 | 説明 |
|---|---|---|
| 完食 | ◎ | 全て食べきった |
| ほぼ完食 | ○ | 8割以上食べた |
| 半分程度 | △ | 半分程度食べた |
| 少量 | ▲ | 少ししか食べなかった |
| 食べず | × | 全く食べなかった |
これらの変化が見られたら、食事記録を持参して獣医師に相談しましょう。記録があることで、より正確な診断につながります。
年齢を重ねても、
毎日の「おいしい」が
愛犬・愛猫の幸せにつながります。
シニア期の食事管理は、決して難しいことばかりではありません。
大切なのは、愛犬・愛猫の変化に気づき、
その子に合った食事を一緒に探していくこと。
このガイドが、その一歩のお手伝いになれば幸いです。
シニア期の食事や栄養について、プロのアドバイスが欲しい時に。
獣医師やペット栄養士によるオンライン相談をご利用いただけます。
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愛犬・愛猫の一生を記録する大切なノート。
食事記録・健康管理・思い出を一冊にまとめましょう。
お問い合わせ
クエストスフィア株式会社 / MIMITOTE事業部
Web: https://mimitote.jp
E-mail: info@mimitote.jp
本ガイドの内容は一般的な情報提供を目的としており、個々のペットの診断・治療を代替するものではありません。
具体的な食事管理については、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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